塗りの歳時記

JAPANと呼ばれる 漆

伝統的に使われて続けてきた 漆器なのですが

現代の毎日の生活の中からは 少し遠い存在になってしまっているような気がします。

必要だから…、大切だから…、継承していきたいから…

受け継がれてきたJAPANです。

お重箱

お重箱


お重箱と聞いて お正月のおせち料理をイメージされる方が 多いのではないでしょうか。

一般の御節料理に使われるお重箱は、三段重が多いのですが、古くは五段重が正式と言われていました。上から壱(一)の重、弐(二)の重、参(三)の重、与(四)の重)、伍(五)の重と呼ばれ、壱の重には祝儀肴や珍味、弐の重にはなますや酢の物、参の重には焼き物、与の重には煮物が盛りつけました。伍の重は預かり重、控え重とも呼ばれ、食べて空いた部分を埋めるために 各お重の残った料理を詰めておいたり また あえて空にしておき、一年の無事と更なる繁栄を願ったとも されました。

金沢には 欠かせない お重箱があります。

それは 婚礼の折 花嫁道具として嫁ぎ先に持たせる 家紋入りの婚礼重です。

昔は ご婚礼のある家の玄関先に 五色生菓子の入った黒塗のせいろが積まれることで

慶事のあることが 一目でわかったものです。婚礼が終わると 紋入りのお重箱に

五色生菓子をつめて 結婚のご挨拶にまわったのです。


上から

月   白い饅頭は月を表す。

山   黄色く染めた餅米粒を付け、山を象徴する

      “いがら餅(エガラ餅)”とも云う

日   太陽をかたどり、円形の餅に紅色粉を付け

      日の出を表す。 
里   蒸し羊羹は村里を表す。

海   菱形の餅は海頭の波を表す


屠蘇器

屠蘇器

屠蘇は、1年間の邪気を払い 長寿を願って正月に飲む薬酒のことで、数種の薬草を組み合わせた「屠蘇散(とそさん)」を、日本酒や味醂(みりん)に浸して作ります。
  「屠蘇散」は、ドラッグストアー等で販売されており、簡単に「屠蘇」を作ることができます。

 

  昔から「一人これを飲めば一家病無く、一家これを飲めば一里病無し」と言われ、正月の祝いの膳には欠かせないものとなっています。

   元日の朝、家族揃って祝い膳を囲み、新年のあいさつを交わしたのち、無病息災を願って 一番上の小さな盃から順に

家族の年長者が 年少者から順番に注いで まわし呑むのが 習わしといわれます。

 

元旦は 屠蘇を頂くまでは 掃除道具を手にしないと 言われた事も。

日本に伝えられてきた伝統は 形だけではないですね。

 


お喰初(百日膳)

お喰初(百日膳)

赤ちゃんのお誕生から 100日を迎えるころ。

お子様が 一生 食べるに困らないようにと 願いを込め お喰初のお祝いをします。

地方により 椀の数や 大きさ等 様々ですが お子様の幸せを願う心は同じです。